北海道札幌市すすきののホテルで首が切断された男性の遺体が見つかった事件で、同市に住む田村瑠奈容疑者(たむらるな)(29)と、父親で精神科医の田村修(59)、母親の田村浩子(60)の親子3名が逮捕されました。
この事件を受けて田村るな容疑者の祖父が「孫には発作を伴う持病がある」と証言していることがわかりました。事件や犯行手口が異質なだけに、ますます犯行動機に注目が集まっています。
この持病が発達障害ではないかという声や、親子の主従関係が逆転しての今回の犯行だったのではないか、また二次障害として解離性同一障害(多重人格)を発症したのではないかということについて調べてみたいと思います。
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田村瑠奈の持病は発達障害で多重人格?「感情抑えられず歯止めが利かない」親子主従関係逆転か
田村瑠奈の持病は発達障害?二次障害による発作か
田村瑠奈容疑者が発達障害ではないかと言われる理由がいくつかあります。
彼女の祖父が、「発作を伴う持病がある」と言っていた発言にいくつか気になる矛盾点が見られるからです。
「発作」というと何か大病のようなイメージがあるかもしれませんが、大病の割に田村瑠奈容疑者はディスコへ行ったという祖父の発言や、風俗店で働いていたという週刊誌情報(※)もあります。(※週刊誌情報は裏どりがされておらずデマだという情報があったので画像を削除しました。)
ずっと家で療養していなければならない病気ではないという気がします。
不登校で家で療養していたというイメージがありますが、自由に登校を選択できる家庭環境にあったのではないのでしょうか。
癇癪や過呼吸(過換気症候群)も発作のうちに入ります。
発達障害の特性によって学習が遅れてしまったり人間関係がうまくいかなくなってしまう、よく注意や叱責を受けてしまうなどの状況に陥ると、二次障害として抑うつや適応障害などの精神疾患が引き起こされてしまうことがあります。
祖父によると持病が悪化し高校は卒業できなかったといいます。発達障害の二次障害は放っておけばどんどん悪化するでしょう。
田村瑠奈容疑者は発達障害による二次障害によって発作を伴う持病(精神疾患)を患ってしまったのではないか。だから集団生活や自分が馴染めない、嫌だと思う環境に身を置くと発作が出たのではないかと思わされます。
こういった場合、自分主体で物事を決める時には発作は出ません。
彼女にとってディスコに行くことやその環境自体が苦でなければ持病の発作は出ないということになります。
祖父は文春の記者にこんな発言もしています。
有料記事なのでここまでしか読むことができませんが、「自分の感情を抑えることができない」「何をするかわからない」これこそが発達障害の特性ではないでしょうか。
そしてそんな瑠奈容疑者を両親は溺愛し、祖父が過保護と思うような子育てをしていたと言います。
親族も同じことを言っていたそうです。
でも仮に彼女が発達障害だったとした時に一番気になるのが、「なぜ専門である父親がそのことに気付けなかったのか」ということです。
周囲とうまく馴染めない、癇癪がある、などの発達障害の特性があっても、それが発達障害によるものだと認めたくない親は数多く存在します。
子供が発達障害であると認めることは、親にとって自己否定感をもたらす場合があるからです。
「育て方が悪かったのか」など、「子供の問題は自分のせい」と思ってしまうところがあり、受け入れること自体精神的に辛くなってしまうことがあります。
そして、発達障害を認めることは、親にとって周囲の人々との交流や社会的な評価に影響を及ぼす可能性もあります。
特に精神科医として周囲に影響を与える存在でもあった父としては、我が子が発達障害だと認めそれが公になることに抵抗があったことは否めません。
同級生の証言にしてもそうです。
「潔癖」「こだわりが強い」などの印象があります。
発達障害の主な特性として、社会的コミュニケーションの困難、狭い興味関心とこだわり制約された行動パターン、感覚過敏または感覚低感、言語とコミュニケーションの発達の遅れ、情緒のコントロールの困難などが挙げられます。
この出来事の前後の事実や、茶化した同級生がどんな子だったのかについて議論もありますが、感情のコントロールがうまくできずに、何をしでかすかわからない衝動性があるように見受けられます。
カッターを持ち出す前に担任や両親などに相談することはできなかったのでしょうか。
親子の主従関係逆転で主導者は瑠奈容疑者か
元警視庁防犯担当刑事 吉川祐二氏はこのように述べています。
抑えられない感情によって何をするかわからない、親の手にも負えないとなってくると、「娘の意思を尊重する」ということがいつの間にか「娘のやりたいことを自由にさせる」ということに変化していったのかもしれません。
娘のことを溺愛するあまり、善悪の判断までつかなくなり娘の言いなりになってしまうとすればそれも恐ろしい話です…。
過去に同じように親と子の主従関係が逆転して殺人を犯すという事件を調べてみたのですが、最近だと神戸で起きた4きょうだいによる6歳児殺害事件です。
この事件で主導者になっていたのが次男である穂坂大地容疑者だと言われています。
彼らは幼い頃に母親から虐待を受けていたと言われていますが、事件が発覚した時母親は押し入れの中に入れられ暴行を受けたと訴えています。
そして甥っ子(沙喜容疑者にとっては息子)を殺害し遺棄してしまうという罪まで起こしてしまった。
このように主従関係が逆転して身内を殺害したなどの記事は見つかるのですが、子供が主導権を握り他人を殺害するという事件は探すことはできませんでした。
田村瑠奈容疑者の家庭環境や両親の子育ての様子など、しっかりと聞き取りをして二度とこのような凄惨な事件が起こらないようにすることも大切ではないかと思います。
発達障害者は事件を起こす?
1つだけ言えるのは、発達障害の人が必ずしも事件を起こすということではないということです。
発達障害で一番大切なことは、本人が生きていく上で困っている事があると気付いた時点で周囲の人がそれに気づいてあげ、適切なサポートをすることです。
発達障害のある人は認知や感情の面で困難を抱えることがあるとされています。コミュニケーションや感情の理解をサポートし、適切な心理戦略を教えることが役に立ちます。
同じような状況を経験する他の家族と交流することで、情報共有や励まし合いができますね。
発達障害にもいろいろな種類があり、個々人によって程度も様々です。
現時点では田村瑠奈容疑者が発達障害と断定されたわけではありません。
これから責任能力を問うために鑑定留置も行われると思われ、その中で何らかの疾患がないか調べられることになると思います。
田村瑠奈は多重人格(解離性同一性障害)?二次障害重症化か
田村瑠奈容疑者は、「自分の中には何人もの人物が存在する」と供述しているということです。
これは「解離性同一障害(多重人格)」の症状でもあります。
解離性同一障害(多重人格)は、強いストレスやトラウマなどから自分を守ろうとした結果、1人のなかに二つ以上の別人格が入れ替わり現れるようになり、自己同一性が損なわれてしまう精神疾患です。
解離性同一障害(多重人格)もまた発達障害の二次障害として起こり得る症状であります。
多重人格(解離性同一障害)は解離性障害の中の1つであり、解離性障害には「解離性健忘」や「離人症」など他にも症状があります。
田村瑠奈容疑者は幼いころから両親に溺愛されていたので一見強いストレスはないように思われます。
でも強いこだわりや生きづらさを感じて「なぜ私は皆と同じように学校に行けないのだろう」と考えたり、人付き合いで悩んだりすることは少なからずストレスに繋がっていたと思われます。
もしも発達障害の二次障害として多重人格(解離性同一障害)が発症していたして、もっと早い段階で療育や治療をしていればここまでの大きな事件にはならなかったのではないか、と思わずにはいられません。
田村瑠奈容疑者の刑事責任能力は「ない」という判断に
半年もの長い鑑定留置の結果、田村瑠奈容疑者の刑事責任能力が「ない」という判断になるとの報道も出てきています。
鑑定留置は2024年2月末で終了となり、それ以降に公判が始まります。