10月末に予定されていた小学校の修学旅行のバスの手配ミスが原因で沢野美紀容疑者(51)が逮捕されました。
《10月27日(金)、28日(土)に小学校児童さん、または職員の家族に何か起こります。今日までで仕込みがすべて終わりました。脅しと思えばそれまでで、事件後の記者会見を楽しみにしています》という内容の脅迫文を学校に送りつけたとされています。
これまでもバスの手配ミスで脅迫をする事件はいくつか発生しており、沢野美紀容疑者も模倣したのではないかという噂があります。またミスに対して脅迫文でごまかそうというやり口について「ミスした時にこそ本当の人柄が出る」との声も見受けられます。それではみてみましょう。
沢野美紀容疑者の顔・勤務していた旅行会社は?
沢野美紀容疑者は夫と高校生の長男、中学生の長女、夫の父親の5人で暮らしていると報道にありました。
また旅行会社について調べてみたところ有限会社MTプラン・システムであることが判明しました。
〒330-0854 さいたま市大宮区桜木町4丁目325番地
「手配ミスでバスが手配できていませんでした。申し訳ありません。」とまず上司に報告するのが社会人そして組織に属する人として当たり前のことです。
普段から「ごめんなさい」ができない人だったのではないかとその人柄が推測されます。
そして旅行代理店も今回は被害者と言えるのではないでしょうか。
もし沢野美紀容疑者が「バスを手配できていなかった」ことを勤務先に伝えて謝っていれば何らかの対策を取ることができたでと思います。
沢野美紀容疑者は模倣犯の可能性?過去にも同様の事件、そしてやはり人柄が関係していると言わざるを得ない理由
沢野美紀容疑者の「手配ミスで脅迫」事件について、類似の事件がいくつか発見できました。
2014年 大バカJTB社員!バス手配忘れ生徒装い手紙「遠足中止しないと自殺」
高校の遠足のバス手配を忘れたJTB社員が、発覚をおそれて大ウソをついて遠足を中止させようとした。岐阜県立東濃高校は25日(2014年4月)、全校生徒317人が学年ごとに分かれてバス11台で中山道の宿場町・馬籠宿、東山動植物園、三重県桑名の遊園地「ナガシマスパーランド」に行く遠足を予定していた。ところが、出発時間が迫っても1台のバスも来ない。結局、遠足は中止となった。
実は、バスの手配などを担当していたJTB中部多治見支店の男性社員(30)が手配するのを忘れていたのだ。前日24日の昼に気付いた社員がとった責任逃れが、いや仰天! こんな馬鹿者がいたとは…。
https://www.j-cast.com/tv/2014/04/30203519.html?p=all
このケースは当日まで黙っていた上、何と学校側に、
生徒を装って「あすの遠足に行きたくない。実施されれば姿を消す」と書いた手紙を学校に届けるというものでした。
当日学校に集合し、バスを待っていた先生と生徒が気の毒すぎます。
1983年 修学旅行のバスを手配忘れ、辞職覚悟した新人を救った校長の手紙
ここで同じ「バスの手配ミス」と1983年で携帯電話もなかった頃にあった手配ミスの例も取り上げてみたいと思います。
いくら待っても来ないバスの確認を公衆電話で行った旅行代理店勤務の室田さんは、200名以上の生徒を東京駅に運ぶバスの手配が翌日になっていて真っ青になりました。
バスの予約は自分の担当ではなかったとはいえ、確認を怠った自分の責任だ…何とかしなくてはと、すぐに学校に謝罪と状況の説明をし、1時間後に迫った新幹線の出発に全生徒を乗せるために電車での移動を決行しました。
この時の時間は朝7時半でまさに通勤ラッシュ。200人もの人数が本当に間に合うのかという不安をよそに新幹線に全員間に合いました。
室田さんは予約確認しなかった自分を責めこれで退職しようと決意し、今修学旅行を楽しんでいる生徒たちのために先生の手伝いを全力で行いました。
修学旅行が終わり退職の意思を伝えに会社に行くと、上司から手紙を渡されました。
手紙の送り主は修学旅行を共にした学校の校長で、
「自分の失敗を挽回するために必死になっている人を見ると誰だって応援したくなります。それが人情というものです。これからもよろしく」
というメッセージが書かれていたそうです。
室田さんは会社を辞めることなく、ある会社を経営するに至りました。
この2つの事件は正反対の対応の差ですよね。
「自分のミスを謝りたくなくて脅迫」したり「自殺するするぞ」と脅すことをせず失敗を真正面から認めて必死に対応することが大切です。ピンチの時こそ人柄が出てしまうのではないでしょうか。
沢野美紀容疑者のせいだけではない?バスと運転手が足りない。インバウンドと修学旅行が重なる観光シーズン
コロナ禍で運転手を辞めた人たちが戻っていない観光バスやタクシー業界では、運転手不足、バス不足に陥っています。
円安の影響で外国人観光客が多く来日し、特に10月の末といえば気候も良い絶好の観光シーズンであるため、多くの人が行楽地に出かけます。
修学旅行に関して100人単位の人数を扱う関係で、キャンセルが発生すると大きな違約金が発生し責任重大であるため、バスだけ予約できていないということは絶対に避けなければならない事態です。
東京ではとりわけ観光客も多く、バスの確保はこれまで以上に難しくなっているのでしょう。
このインバウンドとバス不足の現状は旅行代理店勤務である沢野美紀容疑者は十分知っているにも関わらずミスを棚上げして脅迫文まで送るのはあまりにも稚拙な犯行ではないでしょうか。
沢野美紀容疑者に対する世間の声
小さい嘘でごまかすことに慣れていると嘘をつくのに罪悪感がなくなる、そういったタイプの人だったのかもしれません。
誰が手配をミスしたのか、会社としてダブルチェックやトリプルチェックなどの確認を入れていたのかは原因究明が必要ではないでしょうか。
見たところ小さい旅行会社であるため、少人数体制で回していたと考えられます。小回りの効いた体制で柔軟に動けていたのでしょうか。
やはりバスの手配ミスという取り返しのつかない重大なミスがあったとしても、「修学旅行をやめさせればいいんだ」「脅迫文で行かせなようにしよう」とは普通はならないはずです。
真面目に仕事に向き合い「解決しよう」という意思があれば、1983年の室田さんのように校長や先生に事情説明をして、何とかミスを挽回するように必死に行動するのではないでしょうか。