【依存症は完治しない】オーバードーズ・ODとは?やったらどうなる?急増の背景と事件を徹底解説

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若年層の間で蔓延している大麻成分の入ったお菓子や市販薬を頻回・大量に服用したオーバードーズが増えてきています。一度依存状態になったら治ることはなく、最悪死にいたることがあるオーバードーズとは?オーバードーズしたらどうなる?オーバードーズ急増の理由とは?オーバードーズに使う市販薬は?オーバードーズに関する事件一覧について調べてみました。

オーバードーズとは?

オーバードーズとは英語の「overdose」から来ています。

意味は過剰摂取という意味で薬物を頻回にまた大量に服用することです。

元々は大麻やドラッグなどで使われていましたが、最近では市販薬を使ったオーバードーズが話題となっています。

オーバードーズで救急搬送された人は何錠飲んでいたか?

一度に飲む薬の数の平均は101・8錠で、使われた薬で多かったのは、解熱鎮痛薬、せき止め・たん切りの薬、風邪薬などでした。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20231211-OYTET50004/

厚生労働省の研究班が2021年~22年に全国7か所の救急医療施設で調査を行った結果、平均101.8錠という驚くべき数の錠剤を服用していました。

当たり前のことですが風邪薬やせき止めは成人でも1日3回、各1〜3錠などが多く、100錠余りを服用することはどれだけ危険な行為であるかがわかると思います。

オーバードーズしたらどうなる?

オーバードーズすると健康被害が起きたり、やめられなくなるなどの依存症状が起こる場合があります。

大麻や覚せい剤のような違法ドラッグや脱法ドラッグだけではなく、医薬品とし販売されているものも用法・容量を守らずに大量に服用すると依存に悩まされたり健康に影響が出ます。

具体的にはオーバードーズすることで以下のような症状が起こります。

  • 肝臓の障害が起こる
  • めまい・立ちくらみ
  • 眠気
  • 吐き気・嘔吐
  • 心臓停止
  • 意識がなくなる
  • 呼吸が苦しい
  • 痙攣
  • 心臓停止

最悪の場合は心臓停止して死に至ります。

オーバードーズの様子はAbema的ニュースショーで報道されています。(ご自身の責任において視聴してください)

【一度に80錠】市販薬を大量摂取 痙攣・呂律まわらず…トー横で流行“オーバードーズ”|ABEMA的ニュースショー

オーバードーズ急増の理由とは?手軽にできる環境、興味から、寂しさ・孤独…

国立精神・神経医療研究センターの調査で薬物依存症の治療を受けた10代の患者が使っていた薬物の内訳を見ると、2014年はほぼ半数が危険ドラッグだったが、22年には6割以上が市販薬になっていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d5f3f7ff0012a93df810dd0fab9dd7d91ea214c4

これまで危険ドラッグが多くを占めていましたが、2022年からは6割が市販薬でのオーバードーズになっています。

理由1:簡単に手に入る市販薬を使っているから

公益社団法人鹿児島県薬剤師会より

公益社団法人鹿児島県薬剤師会HPに記載されているデータによると、市販薬による過剰摂取は年々増えており、2014年がゼロだった頃に比べるとたった6年の間に激増していることが伺えます。

またメジコンやブロンなどの薬局で普通に買える薬でトリップ(薬物によって幻覚症状が起きる状態)することができるとインターネットで話題となり簡単に試すことができることも相まって急増しています。

理由2:トリップ状態を味わってみたい、興味本位から

「友達に誘われて」「興味本位で」これはとりわけ大麻に対して言えるかもしれませんが、大麻は外国で合法である国もあり、依存性がない大麻成分もあることから興味本位で大麻に手を出す若者も多いと言います。

大麻成分の中でもCBD(カンナビジオール)は依存性がなく安全性の高い成分ですが、THC(テトラヒドロカンナビノール)は脳への影響が大きく、日本では無許可での栽培や所持は法律で禁止されています。

また最近ではTHCの類似成分であるHHCH含有の大麻グミを食べた若者が倒れる事案も多く発生しています。

中にはHHCHがどのようなものかを知らずにただお菓子だから食べたという人もいます。

またトー横キッズで有名になった市販薬でのオーバードーズは、

「酔っている感覚が楽しくて、落ち込んでいる時は毎日オーバードーズを続ける日がある」

文春オンライン

オーバードーズをすることによって多幸感が得られるため、気が滅入っている時に使い続けて依存状態に陥る人も多いのだそうです。

文春オンラインの記事によると、このように言っていた少女はその後、大量の睡眠薬を服用したようで亡くなったといいます。

理由3:孤独や寂しさ、精神的な空洞を埋めるため、自殺願望があるため

大人たちからの無関心や将来への不安、現実から逃げたいそして死にたい。

そういった子供たちがSNSで安易に見つけ寂しさを埋めるために始めてしまうのが薬物の「オーバードーズ」です。

特に現状や将来に何の希望も持てずに「死にたい」と自殺願望を持つ子供や「死んでもいい」と思ってる子供たちは、渡りに船の状態で安易に手を出してしまいます。

また家庭環境や学校に居場所がない場合は解決する方法が他に見つけられず、知らず知らずのうちにオーバードーズで逃避をするケースも後を断ちません。

福祉の手が差し伸べられれば良いのですがそれも限りがあるため、なかなか行き渡ることが難しい現状です。

そして薬物摂取を続けていると依存状態を引き起こします。

二次被害として依存状態のまま意識がなく窃盗などの犯罪行為をおこなうこともあります。

湯浅さんによると、この窃盗もまた依存症のひとつで、その他にもさまざまな依存症を経験。「現在も(依存症から)回復中なんですよね。依存症に完治はないです。なので、“回復を続ける”という表現をします」と湯浅さん。

https://s.mxtv.jp/tokyomxplus/mx/article/202301310650/detail/

また依存状態には終わりというのは衝撃的ではないでしょうか

一度手を出したら止めればいいという考えは通用しない非常に恐ろしい行動であることがわかります。

オーバードーズに使われる市販薬とは?

オーバードーズで使われる市販薬は、解熱鎮痛剤、咳止め薬(コデイン系・デキストロメトルファン)、睡眠を誘発する薬(ブロムワレリル尿素・ジフェンヒドラミン)です。

  • コデイン…パブロンやエスタック、新ジキニンなど風邪薬の多くに含まれています。
  • ブロムワレリル尿素…ナロンエースTなど
  • デキストロメトルファン…メジコン、コンタックなど
  • ジフェンヒドラミン…ドリエル・レスタミンなど

トー横キッズや若者のオーバードーズで有名となったのは「メジコン」です。

市販薬は多くの家庭にあるものです。またドラッグストアで簡単に購入できるものばかりですので、子供が興味本位で大量に服用しないように一層の注意が必要となります。

オーバードーズに関する事件一覧

2023年12月 目黒区の小学校に市販薬持ち込み 児童二人がオーバードーズ

12月13日、東京・目黒区の小学校で、女子児童2人が持ち込んだ市販薬を過剰に摂取し、救急搬送されました。児童たちは複数かつ大量の市販薬を持ち込み過剰摂取したとみられています。

2023年12月 足立区の路上で男女が意識不明(咳止め薬OD)

東京・足立区西綾瀬の路上で倒れていた男女2人が病院に搬送され、そのうち10代とみられる女性が意識不明の重体となっています。20代の男性は病院で意識を取り戻しましたが「オーバードーズ」の状態だった可能性があるとみて調べています。

男性は「2人でいて、市販のせき止め薬を大量に飲んだ」と話しています。

2023年11月 咳止め薬OD女子高生を連れ去り

橘孝憲容疑者(58)は11月11日大阪市中央区の路上で女子高校生(16)を車に乗せ、茨木市の自宅マンション(当時)に連れ去った翌日、女子高生は急性薬物中毒で死亡しました。

連れ去られた現場周辺の防犯カメラには、薬局で咳止めを4箱購入した女子高生の姿と橘容疑者に連れ去られる様子が写っていました。

2023年11月 クスリ売り捌く”トー横のパンダ”逮捕

トー横キッズに違法に市販の咳止め薬を販売したとして、無職の高橋光夢容疑者(21)や高校生の男女など計4人を医薬品医療機器法違反(無許可販売)の疑いで逮捕しました。

4人は薬40錠を定価の半額以下の1000円で無許可販売し、高橋光夢容疑者の自宅などからは咳止め薬2000錠が見つかったといいます。

週刊文春より

女装をした格好でパンダのリュックを背負っていたことから、「トー横のパンダ」と呼ばれた高橋光夢容疑者。知り合った少年少女たちに売るだけでなく、病院で医薬品を処方させたりもしていました。

自身もクスリの依存症なのかもしれません。フラフラになって街を歩いていたそうです。

トー横ではこの事件以外にもオーバードーズとなるケースや市販薬を違法な手段で販売する業者が数多く存在しています。

2023年4月〜11月 名古屋市内の小中学生合計17人がオーバードーズ

2023年4月から11月までの8か月間で市内の小中学生17人が「オーバードーズ」とみられる状況で病院に運ばれていました。

17人のうち2人が小学生ということです。

オーバードーズを防ぐ取り組みはどこまで有効か?

薬局での販売数を制限する

タバコと同じで薬局で年齢確認や1回あたりの販売数を制限するなどの取り組み案が進められています。

武見厚生労働大臣は、乱用を防ぐための法改正を検討するとともに、薬局などに対し、若者にかぜ薬などを売る際には、名前や年齢を確認するよう求めていく考えを示しました。

また20歳未満には複数箱の販売を禁止するなど乱用を防ぐ販売制度についてもまとめられています。

学校での教育項目に加える

昨今のオーバードーズ急増問題を受け、青森県の小学校では早速薬物乱用防止教室が行われています。

薬剤師が薬物を過剰摂取することの問題点や市販薬の過剰摂取、大麻グミについてもわかりやすく解説しました。

児童たちは薬物乱用を誘われても断る勇気を持つことを学んでいました。

まとめ

昔はシンナー、違法ドラッグ、今は市販薬のオーバードーズ。

マジックマッシュルームや違法ドラッグももともとは「脱法ドラッグ」であったものが多く、オーバードーズが急増したことによって「違法」となったものが数多く存在します。

時代は変わっても若者たちが刹那的に薬物摂取する問題の本質は変わっていないように思います。

孤独や寂しさ、死にたい。薬物乱用の裏には家庭や学校に居場所がないと感じる子供たちがいるから飛行や薬物摂取に走ってしまうということを忘れてはいけないのではないでしょうか。

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